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DBGET の概要
1. 分子生物学データのウェブ
DBGET システムはゲノムネットのバックボーンとなる検索システムです。そこではデータベースはエントリーという単位の集合として取り扱われます。既存の分子生物学関連データベースのほとんどは、このような単純な見方で(すなわち、フラットファイルとして)眺めることができます。各エントリーにはエントリー名(またはアクセッション番号)というデータベース内でユニークな名前がつけられていますので、
データベース名:エントリー名
の組を与えると、世界中に存在する数多くのデータベースを統合的に参照することができるわけです。また、KEGG にある生物種ごとの遺伝子やタンパク質は
生物種名:遺伝子名
により、やはり DBGET で統合的に検索することができます。
分子生物学の分野では異なるデータベースに関連するデータがあれば、それにリンクを付加してデータベース化が行われています。文献データと文献に報告された配列データとの関連、塩基配列とそれを翻訳したアミノ酸配列の関連などが代表例です。このリンク情報は
データベース1:エントリー1 → データベース2:エントリー2
の形で表現され、これを2項関係といいます。DBGET では LinkDB と呼ぶ2項関係だけのデータベースをもっており、2項関係を演繹して(組み合わせたり、逆向きにたどったりして)新たな2項関係を作ることにより、多くの関連データを容易に見いだせるようになっています。また、リンクはゲノムネットの外のデータベースにも多数つけられており、より専門的なデータベースで細かな情報を調べることができるようになっています。
2. データベースの分類
DBGET/LinkDB システムでは多数のデータベースを統合するために、データベース利用条件の違い(ミラリング可、キーワードインデクシング可、リンクのみ)を考慮して、各データベースを以下の5つのカテゴリーに分類しています。
カテゴリー | 検索コマンド | 備考 |
bget | bfind | blink |
1. KEGGデータベース | yes | yes | yes | ゲノムネットでミラリング |
2. その他のDBGETデータベース | yes | yes | yes |
3. Web上の検索可能データベース | no | yes | yes | 各サイトのサービスを利用 |
4. Web上のリンクのみのデータベース | no | no | yes |
5. PubMedデータベース | yes | no | yes |
3. KEGGデータベース (カテゴリー1)
ゲノムネットが提供するKEGGデータベースは以下の通りで、多くのものは毎日更新されています。
4. その他のDBGETデータベース (カテゴリー2)
ゲノムネットがミラリングしているデータベースは以下の通りです。
5. Web上の検索可能データベース (カテゴリー3)
ゲノムネットでキーワード検索のみできるデータベースは以下の通りです。
参考文献
- Kanehisa, M.; Linking databases and organisms: GenomeNet resources in Japan. Trends Biochem Sci. 22, 442-444 (1997).
[pubmed]
- Fujibuchi, W., Goto, S., Migimatsu, H., Uchiyama, I., Ogiwara, A., Akiyama, Y., and Kanehisa, M.; DBGET/LinkDB: an integrated database retrieval system. Pacific Symp. Biocomputing 1998, 683-694 (1997).
[pubmed]
(DBGETのルーツは1980年代にGenBankのために開発されたIDEASシステムです)
- Kanehisa, M., Klein, P., Greif, P., and DeLisi, C.; Computer analysis and structure prediction of nucleic acids and proteins. Nucleic Acids Res. 12, 417-428 (1984).
[pubmed]
[pdf]
- Kanehisa, M.I.; Los Alamos sequence analysis package for nucleic acids and proteins. Nucleic Acids Res. 10, 183-196 (1982).
[pubmed]
[pdf]
Last updated: May 29, 2024
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